カテゴリー: 玉麗の小説

「うわっ　光ってる。来るゾ！」 稲妻、雷鳴、一寸先も見えぬドシャ降り。   「雨だけって訳にはいかんのかねェ。いつもいつも賑やかすぎるよ。」 「夏場はムリだね。雷神と眷属（けんぞく）が必ずついて来る。 アイツら...

「ムンちゃん、ちょっと困ってんねん。 １万円持って梅田まで来てくれる?」 「どうしたんテラさん。 用意してたら３０分以上かかるけど ええの?」 「梅田のいつものカフェまで来て。 １万円忘れたらアカンよ」 「わかった、ほな...

「ムンちゃんとこソファどうしてる?」 「すててん、リビング広く使いたいやろ。もう古かったしな」 「そうやなあ、ソファってあんまり使わへんし、カサ高いし…」 「テラさんとこリクライニングやったね。アレはいい」 「う~ん、こ...

「光熱費高うなったナア、ムンちゃんとこ何か節約してる？」 「うーん、電気は消したら暗いし、洗濯２日に１回にしてる。 夏はお風呂も２日に１回、入らへん日はシャワーする、ぐらいかな。」 「ムンちゃん、それや、風呂の残り湯、ど...

「ムンちゃん!リンゴが成ってん!」 「リンゴってどこに？」 「青森とちゃうよ、ウチのベランダ。アルプス乙女って言うねんて。」 「へェ、かわいい名前やんか。」 「友達がナ、プレゼントしてくれた。」 「イヤァ、ええ友達持って...

「ムンちゃん、今いい？」 「今お医者さんやねん、後でかけるヮ」 〜１時間後〜 「テラさん、出えへんナァ、トイレでも行ってんのかな」 〜３０分後〜 「ムンちゃん、出えへんねェ、さっきかけてくれたみたいやけど・・」 〜１０分...

「朝顔の種もらってんけど、ムンちゃん　いる？」 「どんな色やの？」 「原種やて、青色。」 「ええねェ、今度会う時もらうワ」 「夕顔って知ってる？」 「知ってる。夕方から夜にかけて咲く白い花やろ。」 「みんなそう思てる。ち...

「ムンちゃん、寝つかれへん日ってある？」 「たまにあるけど・・・。テラさん神経質やからしょっ中あるようやね」 「さすが、半世紀！アハッ　これ常套句になったァ？」 「羊数えたりする？」 「まさか！よけい目ェ覚めるよ。 あの...

ー　ムンちゃん、死にそう ー　テラさん、どうしたん？いつも電話やのに ー　そやから　　死にそうやって ー　どうしたん？　どっか痛いのん？　メールじゃようわからへん ー　しゃべられへんねん　手もふるえてるし ー　そういえば...

「ハーイッ　ムンちゃん、こんばんは！飲んでる？」 「ビール飲んでます。テラさん、ごキゲンやね、どしたん？」 「フフッ、飲んでるねン、私も」 「エーッ　珍しい、何飲んでるのん？」 「ブランデー。 生（き）で飲んだら甘いから...