玉麗のお話「テラとムン ④ジュースではない」

「ハーイッ ムンちゃん、こんばんは!飲んでる?」

「ビール飲んでます。テラさん、ごキゲンやね、どしたん?」

「フフッ、飲んでるねン、私も」

「エーッ 珍しい、何飲んでるのん?」

「ブランデー。
生(き)で飲んだら甘いからネ、お湯割りしてる」

「テラさん 飲めるクチやったねェ」

「わりかしなんでもいける」

「でも家で飲んでるとこ想像できひんナア。
何かあったン?」

「いや、ない。ヒマやねん最近」

「いいやんか、私はヒマ大好き」

「私はあかんねん、することないのって耐えられへん」

「テラさんは常に動いてるタイプやからね」

「で、本読んでたら何か食べたくなるし、食べたら太る。
夜は特に、胃も悪うなる。
しょうないから飲むことにした」

「飲むことにした、って・・その方が胃悪うならへん?」

「ハ・ハ・ハ 
 ムンちゃんの好きなビールのアルコール度数どれくらい?」

「ビールは・・・5パーセントくらいかなあ」

「ブランデーは35度やからネ、
10ccの原液を100ccのお湯で割る。
30分かけて飲んでます」

「酔われへんやんか、そんなんでは」

「十分酔うよ。お酒の味がするもん」

「するかなあ」

「ジュースではない」

「テラさん流やね、それって」

「エエこと言うねェ。
お酒の香りがするものをチビチビと口にする、
っていうのが、エエねンなあ」

「酔うてる気分?」

「そう、気分の問題。
お茶ばっかり飲んでたらバアサン気分になるし」

「ワタシタチってバアサンじゃなかったっけ」

「バアサンではある」

「バアサンやけど、バアサンぽくなりとうない?」

「ウイ」

(玉麗)

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