美術館で催される展覧会は、どこも照明を暗くしている。
私の目にはいいのかもしれないが、肝心の絵がよく見えない。
しかもガラスケースの中に収まっている。
あちこちおでこをくっつけて見た跡が残っていて、おかしかった。
私のような人もいるんだ。
今回の展覧会は、前期・後期に分かれていたようで、見たかったのはもう終わっていた。
ならば長谷川等伯にしよう。
その前にまずランチを食べて。
フォーシーズンは最近建ったホテル。
といっても、2年ぐらい前で、ビルではなく京都らしく日本建築の体裁を整えている。
日頃の昼食よりは少しリッチに、ワインも添えて。
お隣に、真言宗智山派総本山「智積院(ちしゃくいん)」がある。
ここには、長谷川等伯親子の国宝障壁画が在る。
パンフレットや図録では、鮮やかな色彩の絢爛豪華な絵図として紹介されているが、実物は、400年以上の時を経て、少しずつ黒ずんでいる。
時の移ろいを感じさせる枯淡の美と言ったらいいのだろうか。
講堂には田渕俊夫東京芸術大学名誉教授の「夕陽」があった。水墨画である。
残念ながらかなり離れたところからしか見ることができない。
それにしても、智積院は広い。
アジサイの咲く頃に来たらきれいだろうナアと写真を見て思った。
智積院から鴨川に向かって坂を下り、三十三間堂のすぐ近くを通って京阪七条駅へ。
行きも帰りも特急は混んでいて、ほんの数駅座れただけ。
やはり京都は人が多い。
(玉麗)