隣のケージが物音ひとつしないので、心細くなったのかもしれない。
マルコがジャンの方へ、仕切りを乗り越えて入り、2匹一緒にまどろんでいた。
大きなジャンの後ろに隠れていたので、一瞬マルコ逃走、と思ったが、見つけた時はほっとし、2匹の様子がほほえましく安心した。
マルコは左隣のスリムケージに浸入したこともあった。
踏んづけられたスリムは重たいヨーと騒ぎ、夜中に何回か起こされたことがある。
そうか、もう仕切らなくても良くなったのかもしれない。
ジャンと一緒でも、大きな兄ちゃんが小さいマルコを気にすることはないだろう。
マルコはくっつきたい方なので、仕切をしないで、ひと回り小さいケージにしよう。
思い立ったらすぐするヒトだ。
タオルを敷いたケージに 水入れ2ツ、ハウス2ツ入れて、まずは各々のハウスに入れてやった。
夜になったら、マルコはお兄ちゃんの方へ入って行くかもしれない。
ジャンさえ嫌がらなければ、それはそれでよい。
昨夜、風太が来ていた。
生前ベッドの在った周辺が、「ツンツン」と音がすることがある。
部屋の温度の変化か何かでそうなるのだろうが、私達は、天空へ逝ってしまった愛犬がもどってきた、と思いたい。
風太はスリムを迎えに来たのだ。
スリムが迷わないように、背にのせて連れて行ったのかもしれない。
彼らは、この世で相まみえてはいない。
けれども縁在って、この家で私達と共に暮らした家族だ。
私達もやがては行く彼方の国で、又一緒に住もうな。
(玉麗)