和水仙は、香りに気品がある。南天の朱はまさしく日本の赤。そしてヤツデ葉の緑と花色の対比の妙。お正月用にと、Mさんからのプレゼントである。
家の中では劣化が早い。お正月まで大切に持たせたいので、玄関先へ飾ることにした。置いてあったクリスマス飾りを片付ける。ひと足早いお正月気分が漂ってくる。
若い間はクリスマスに浮かれ、その日が過ぎるとシュンとした。次に来るのは年末の大掃除。それなりに頑張って清々しくなったところで、餅つきが続く。
年越し蕎麦を頂き、紅白を見て就寝、そして一夜明けたら淑淑とした元旦である。
年経る毎に、クリスマスは遠くなった。最近は息子夫婦がやって来て、みんなで食卓を囲みプレゼントを交換するようになった。私も贈り物選びの楽しみに加わっている。
生活が完全洋式になっても、お正月だけは残っていくと思う。1年の始まりを寿くこの心情は、日本人である証のようなもの。
お正月用の花々を並べ、彩り華やかになったベランダを眺めながら、冬至を迎えた。
これから、
「鹿角おつる(12月27日〜31日)」
「雪下りて(くだりて)麦のびる(1月1日〜5日)」
「小寒(1月6日〜19日)」
「芹栄う(せりさかう)(1月6日〜9日)」
・・・そして、
「大寒(1月20日〜2月3日)」
へと続く。「七十二候(しちじゅうにこう)より」
冬は始まったばかり。
(玉麗)