「龍のお軸を描く教室」があり、どうしたらいいか娘と相談して、中抜けをしたらどうかと決まった。
まずは挨拶をして、龍図の説明をする。
そして、今私がどういう状態であるか話して、「皆さん頑張って下さい」と教室をあとにした。
娘はその後、絵の手順を伝え、皆さんに描き始めてもらった。
今日の4人は無駄なおしゃべりをすることもなく、素直に娘の教えを聞いてくれる人達であった。
私が再度教室へ入った時は、各々に品格ある龍図がほぼ出来上がっていた。
1人1人の絵を見て描き加える箇所、濃くするところなどを指摘し、娘と手分けして添削、そしてハイライト、「渦」を描き込む。
体が不調だから、は理由にならない。
緊張の一筆によって、龍が生き生きと天へ昇る様を表す。
大切な部分を描き終えると、心臓がドッドッドッと脈打つ。
しばらくイスに座って落ち着くのを待った。
それから1時間ほど後、完成した絵を大切そうに持って4人が帰って行った。
「私は今高血圧で、心臓の検査をもうすぐ受ける身です。
何時間も立っていられないので、申し訳ありませんがしばらく休んできます」
この日、挨拶の後こう言って退席した。
途中抜けたおかげで、私の消耗はかなり抑えられた。
ドッと疲れた感はなかったのでほっとしているが、あさってにならないと明確には解らない。
(玉麗)