わが家の気象予報官トビラ氏は、時々重い口を開く。
『明日は雨が降りますぞ 外出時には傘のご用意を ギイーッ』
ところが、このところダンマリを決め込んでいる。台風が来るというのに。よく考えると、彼は古式予報で、湿度の多少で推測する。
このところ蒸し暑い日が続き、エアコンをつけたり消したりの毎日では、知らんぷりするしかないのだ。『湿度35パーセントでは雨のニオイすら嗅ぐことが出来ませぬ』と言わんばかり。
カエルたちが代わりに『低気圧、低気圧』とうるさい。
カエルハウスの壁をよじ登っては落ち、又よじ登る。その際、プラスチックの壁と手足とが摩擦してキュルキュル音を立てる。昨夜もけっこう賑やかだったと娘が言う。
嵐は近づいているが、今夜は「豆腐と茹でブタ肉のみじん切り、おろし人参入り団子」をもらったので、夜行性のくせに寝ている様子。満足したのだろう。
風太が天国へ行ってしまって寂寥感漂うわが家へ、オタマジャクシがやってきた。3匹がカエルになってから丸3年。
自然界でいたらきっと虫を食べていただろう。できる限り捕獲して与えてやりたいが、なかなか難しい季節が又やってくる。刺身は生臭くなるし、生肉もなんとなく躊躇する。
今日ふと思いついたのが、豆腐を混ぜる方法で、そうすることで茹で肉のパサパサ感が失せる。人参を入れるのは、彼らは目がよく見えないようなので(動体視力はある)色をつけるために。洋人参より和人参の方がより赤いからいいかも、と思ったりしている。
何かの縁でわが家で飼われることになった3匹。寿命を全うするまで、大切にしてやりたいと思っている。
トビラ氏については、全く手がかからない。むしろ手をかけないで欲しいと望んでいるみたいなので、そのままにしている。
(玉麗)