小さなパン屋なので仕方ないかもしれない。
だからといって、吹きっさらしの寒いところで待たされると、5分待っても10分以上待ったように感じる。
屋内なら人数制限でも文句はでないだろうけれど。
小さな子をつれたお母さんが「もう少しだからネ」と言い聞かせていたが、女の子は疲れたのか、店内に入るなり座り込んでしまった。
狭いところで通路に座られると通れなくなる。
お母さんは私を見て「スミマセン」と謝った。
「お腹すいた?疲れたンやねェ」
と話しかけると、照れたのか、私をチラッと見て立ち上がった。
「アリガト、すぐ終わるからネ」
女の子の横の食パンを取ってレジへ。
5人ずつ店内に入るようになっている。
このところ、急に寒くなったので、外の人は今か今かと待っている。
早く選んでサッサとお金を払って出てきてくれたらいいのに、と思っている人も、自分の番になると、アレにしようかコレも美味しそうだと時間がかかる。
私のように食パンだけの人はあまりいないようだ。
今まで待ったことはなかった。
コロナ禍で、こんな小さなパン屋にも、いや狭いからこそ困ったことになっている。
娘がよく言う「動線」。
こんな時にはことさらに気になることだ。
店内の商品を取りやすく、動きやすいように設計された店は、買い物の時、何の不都合も感じない。
何かしらイラッとする通路は、客の立場になって作っていないか、考えが足りなかった結果なのだろう。
(玉麗)