母が失くして娘が捜し出す

「失せもの戻らず」
と占いで出たらがっかりするが、私の場合
「失せものは娘が捜しだす」
ので、条件として失くしたままとなることはほとんどない。
“家の中でのこと”がつくけれど。

後期の手本どうしたかナ、確か全部描き終わっているはずだけど、と気になって原画を置いている棚を見ると、ない。

アレマ、描いたと思ったのは間違いか?
そうなると、描いた事実すら消えてしまって不安そのもの。

娘が外出中などにそんな事態が勃発する。
帰るのを待ちかねて問うと、別のところに在ると言う。

「うーん、確かここら辺に置いたと思うけど・・・・・」
と娘の方もハナハダ頼りない。

「お母さんがどっかへしまって忘れてるんじゃないの」
「え?そうなン」

押し付け合いをしながら、娘はズラリと並んだミラー付き戸棚の扉を開けた。

「見つけた!ほらー、ここにお母さんの字で『後期手本』って書いてる。動かぬ証拠」
「参りました」

最近このようなやりとりが頻繁にある。

出てきたから良いが、時として娘の思いつかない場所にしまって、そのままになっているものがある。

ピンセット、アレ、どこへしまったンだろう。
心当たりのところを捜してみるが、いっかな出てこない。

コロナ休みの間にしっかり捜索しなくちゃ、と思いながら、
「アレ?さっき買ってきたヒマワリの種、どこ行った?」

(玉麗)

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