ルリマツリの在る情景

ルリマツリが1回目の満開を迎えようとしている。
昨年は2回、3回と切れ目がなく、ずうっと咲いていた。

その前の年はパアッと咲いて、次の花が咲くまでにちょっとだけ間があった。
その分満開の時は華やかだった。
今年はどんな咲き方をするのだろう。

Uさんが欲しいとのことで、挿し芽をしておいたのを持って行った。
小さい木ながらすでに蕾は3ツ4ツ出ていた。

ルリマツリは強い木のようで、けっこう枯れやすい。
陽の光が好きな花木だから、陽陰に移動したのが原因だと思うとのこと。

陽の当たる所は洗濯物を干す。
ルリマツリは花茎がベトベトしているので、洗濯物にくっつく。
それで場所を変えたとか。

わが家には1メートル以上のが3本、台の上に置いている。
その下でウロウロする私の頭には、いつも青い花がくっついている。

Uさんのご主人も最近ベランダによく出るらしく、ルリマツリの近くを通って花をくっつけて部屋に入ってくるらしい。

平安時代の源氏物語には、男性の貴族が冠に花を挿して舞う姿が描かれている。
少し白いものの混じった頭髪の先に、瑠璃色の花がガラを乗せているUさんのダンナさん(1度お目にかかっただけなので、ほんとはよく存じ上げない)を想像する。

知らぬ間にくっついているから、御本人は一向に気づかない。
微笑ましいとはこのようなシーンではなかろうか。

(玉麗)

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