落雷

春は大気の状態が不安定で、突如落雷があったりする。

先日のこと、私はベランダでハンダゴテを握っていた。

ハンダ付けをしていた訳ではなく、プラスチックのタコ足ハンガーを改良すべく電気ゴテを使って穴を開けていたのだ。

ピカっと光った。

ン?と頭を上げた途端、バチッと大音響。

カミナリ大嫌い(怖い)の私は、うわあっ!と(言ったかどうか、とにかく何かを叫んで)跳ね上がり、ハンダゴテを雑巾の上に置いて室内へ飛び込んだ。

僅かに冷静な判断が残っていたようで、コテをコンセントから引き抜いていた。

音はそれっきり止んだ。
つまりどこかへ雷公が転げ落ちたのだ。

後でわかったことだが電車の送電線だったようで、その電車に娘が乗っていたとか。

一瞬、電車内が暗くなりびっくりした、とメールが届いた。

 

雷公は慌てて空へ飛び上がり、その後は音沙汰無しであった。

この騒ぎの中、宅配が来たみたいだが、もちろんチャイムの音は私の耳に届くはずもない。

で、午前中に届くはずの荷物を待って、3時間ほど過ごす羽目になった。

来ないので仕方なく外出し、帰ってきたら郵便受けにお届け票が入っていた。

やはり・・・・・。

さらに熱々のハンダゴテを置いた雑巾は、黒コゲ(コテの跡)になっていた。

とにかく、ピカっと光った途端ガーンと雷鳴が響いたら、たいてい落ちている。

 

雷は冬にも稀に鳴るが、何と言ってもこれからが本番。

怖い季節がやってくる。

曇っている日はベランダで金属をつかんではならない。

落雷で絶命!
なんてあまり晴れがましい終わり方ではない。

(玉麗)

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