物書きは足でネタを探す。
新聞記者・フリーライターは言うに及ばず、推理小説家であっても書斎に籠っていてはリアルな文章はたぶん書けない。
各々ジャンルは違っても、取材と呼ばれる資料集めが必須となる。
玉麗日記を毎日更新している。
私的事象を綴るだけの細々としたこのブログもやはり取材が必要で、じっとしていては書く事柄がマンネリ化し、今日は何を書こうかと思案することもしばしば。
このところじっとしている私は、自分の体の変化のことしか記していない。
血圧のことばかりでは、読んで下さる方々にまたかと思われる。
7月、寸松庵色紙にネリネを描いた。
モデルになったこの花は球根で、もう7〜8年も前に会員から頂いたものだ。
律儀に毎年、この季節になると少しだけ葉っぱが出てくる。
アースカラーの鉢の球根から、爽やかな新葉が顔を出すと、1週間も経たずにその葉の真ん中からニュッと顔を出す蕾。
今年は6本かと思っていたら、数日後には10本に増えていた。
蕾は力強い太い茎をグングン伸ばし、長いのは60cmぐらいになる。
そしてその先にマンジュシャゲとそっくりの花が開く。
他にも色はあるようだが、わが家のは濃いピンク。
太陽に向かう性質があるので、時々鉢の位置を変える。
今は東側ベランダにいるので、東に向いて(ベランダの外側へ)茎が伸びている。
花が現れたら南側へ移動する。
植物は1年に1度、その季節を待って各々に花開く。
巡り来る時を待つ間の長さを考えると、輝くように咲いていることの奇跡を感じずにはいられない。
絵描きに使命があるならば、生きている花達を紙に写しとることだと、マジメに思ってしまう。
(玉麗)