奈良へ 1/3

奈良まで小旅行する。

「滅多に1人で長い間電車に乗ることなんてないんやから、気ィつけてな」

「急がず、ゆっくりで」

「黄砂飛んでるけど、楽しんで来て」

息子とAちゃんと娘が各々にメールで伝えてくれる。

シバザクラとボタンとモッコウバラ。
欲張りではないけれど、これらを一挙に見たい、と思いついたことである。

つまり、観光地へ出かけるのではなく、息子の庭を見に行くだけのことなのだ。

電車は乗り換えなしで目的地へ着き、そこにはAちゃんが迎えに来てくれる。

娘は所用で都合が悪くなったので、1人で行くことにした。

この機を逃せば来年になる。

来年のことなど誰も分からない、と最近思うようになってきた。

今思いついたことがあれば、すぐにしておかなきゃと気が急く。

それだって体調と相談してのことだから、全て可能なわけではない。

一期一会(いちごいちえ)は、この世の中で起きる森羅万象(しんらばんしょう)全てに当てはまる。

同じことは2度とないのだ。
同じようなことはあっても。

というようなグダグダしいことを書いて、出発時間の調整をしている。

では、行ってきます。

(玉麗)

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