サブローはもう5回目の夏を迎える。
いや6回目かもしれない。
スティックブロッコリーの苗を買ったら、その中の1本が非常に優秀で、いっぱい花蕾のついた枝をつけ、それがとても美味しかった。
抜いてしまうには惜しい気がしてそのままにしておくと、次々とスティックをつける。
2年経ち、3年目を迎えた頃、「Sir(サー)」の称号をつけてサー・ブロッコリー、略してサブローと呼ぶようになった。
サブローは他のブロッコリーより甘く、モンシロチョウや蜂がやってきて産卵する。
今朝、娘がサブローの傍にしゃがみ込んでいた。
シロちゃんの幼虫を別のブロッコリーに移す作業をしていたので、私も加わった。
ちょっと数えただけで15匹ほどいる。
このままにしておいたらサブローは茎まで食べられてしまうだろう。
昨日孵化したような、1ミリにも満たない青虫も含めて20匹ほど。
ついでに剪定もした。
ブロッコリーの剪定なんて聞いたことがないが、画像を見れば納得してもらえると思う。
サブローは昨年秋の終わり、シロちゃんのその年最後の産卵を受けた。
30余匹の青虫は大きくなり、葉っぱはおろか枝の先まで全部食い尽くして、サナギになるべくベランダのあちこちに散らばっていった。
残ったサブローは見るも無惨に、太い枝のみが立ち尽くしていた。
もう枯れるだろうと、私たちは諦めた。
ところがしばらく経つと出たのだ、新芽が!
優秀なブロッコリーは、生命力も旺盛であった。
そして今春、私達はサブローが提供してくれる甘みのあるスティックを目を細めて、頂いた。
虫達もきっと知っているに違いない。
このブロッコリーがとても美味しいことを。
悪いね、キミ達はフツーの葉の方を食べてくれる。
サブローを育てているのは私だからね。
(玉麗)