勝手なものがたりを創っているだけとはいえ、昨夜の満月が曇っていたら、きっとシュンとなっていただろう。
今年の十五夜は例年に増して、美しく輝いていた。
空を仰いでスリムを思い出し、カエル形の小石は快く迎えられたのだな、と嬉しかった。
よかったね、スリム君。


今日も眩しいぐらいの晴天で、ベランダは暑い。
ふとリンゴに目をやると、アッほんの少し色づいている!
茶色くなったのが1コあるが(部分的に)、あと3コ、無事熟してくれますように。
温州みかんは何の心配もなく、丸々プクプク大きくなっている。
こちらはまだ少し先にならないと黄色くはならない。
季節は間違いなく動いているのだけれど、夏から秋への移行が今年は特に遅い。
人間はホトホト疲れているが、樹々には暑いのを喜ぶ種がけっこうある。
わが家の、取るに足らぬ小さな森でも、多くの植物がいつもより背を伸ばした。
ただ暑さを嫌うサザンカは、残念ながら枯れてしまった。
メジロのためにまた1本、調達しなくてはなるまい。
秋の花を植える元気も体力もなくて、ほんの少し残ったルリマツリとブーゲンビリア、アサガオは原種・江戸風情、ともに細々と毎朝咲いてくれるのを愛でる毎日。
肌寒い風が、果たして吹くようになるのだろうか、などと心配になる。
ともあれ、スリムに居場所があって、月さえ出れば思い出すことができることを、心から喜んでいる。
(玉麗)