京都の都おどりから、なぜ登山?(後編)

本日の記事はこちらの後編です。
「都おどりから、なぜ登山?(前編)」

かなり歩いて疲れているし、
貴船口駅までは帰りはバスに乗ろうと
言っていたほどです。

「楽しさ8割くらいで帰るのがいいって」

とえらそうに言いつつも、
結局は山を登ることになりました。

まったく無人だったら絶対行っていませんが、
軽装の人たちが向かうのを見ていたのです。
追いかけるようにして入山。

鞍馬方面からやって来る人たちには会いますが、
私たちの後続は誰もおらず。
そりゃそうやろ、と思いつつも足を速めました。

速めると言うは簡単、山道です。
登って行くのです。階段が続くようなもの。
最初の勢いはどこへ、かろうじてスニーカーだった
私達ですが、ロングスカートの友人を振り返ると
泣きそうな顔になっています。

登山時の写真がまったく無いのが
心身ともに余裕がなく必死だったことを
物語っています。

やめとけばよかったと言う彼女を鼓舞し、
情報を得るため、来る人来る人に私は話しかけ
この先の状況を尋ねていきました。

みなとても親切なのですが、
「かなり大変ですよ」
「この先さらにきついです」
「普通は逆のコースですけどね・・・」
(なんか皆楽しんでいるように見える)

一応、ハイキングルートにはなっているものの
鞍馬→貴船が一般的なおすすめコースなのか、と
その時に知る我々です。

そう言われてもここまで来たら進むしかない。

汗だくでやっと「魔王殿」に到達し、
それでもまだ会う人にインタビューを続け、
ところどころ出会う社にはその都度おさいせんを。

(無事下山できますよう、お許し下さい)

最初は「がんばります」「見守って下さい」
の心のセリフは、いつしか許しを請うかたちに。

私の思いつきでフラリとやってきたものだから、
いざとなったら友達を守らないと!という
責任感まで芽生えてきました。

今なら笑えますが、相当ビビっています。

一番つらい登りを越え、到達した鞍馬山の「木の根道」。
あとで由来を知ることになるのですが、
ここは牛若丸(義経)が鞍馬天狗を相手に修行したと
言われる場所だそうです。

貴船側から登り始めの過酷な山道とはちがって
木の根道少し手前あたりから階段道となり、
今度は下っていくのでようやくホッと・・・

参道を抜け、がらーんと広い場所に出ました。
ぼたん桜が残り、澄んだ空気を感じるところ。
鞍馬寺本殿前です。
(参拝客の話では、パワースポットだとか)

この時の私の気持ちは、
まるで天竺に到達した孫悟空。
目の前にいる友人Hが、三蔵法師に見えます。

おっしょさん!

せっかくここまで来たのだから御朱印をと
ウロウロするおっしょさんですが、
(けっこう元気やな)
すでに事務所は閉まっています。

暗くなるまえに下界へ。
登りもきついが、さらに足腰に
追い打ちをかけるのが下り坂。

ゴーーーーール!

ついに鞍馬駅へ到着!

なんとも奇妙な冒険でした。

 

こんな風に予備知識のない所へ行って、
あとからその場所について調べて
「おおーそうだったのか!」などというのは
なんとも楽しいものです。
過度な期待もないから、より新鮮なのです。

とはいえ、今回は山の神様に守ってもらえたと
実感しています。
冒険の書ひとつ、ありがとうございました。

 

それから私達はふたたび叡電にのって
出町柳へ戻り、四条のお店で乾杯しました。

この時のビールの味といったら・・・
ご想像通りです。

(雪)

※私が歩いた山道を見てみたい方は、
こちら→「総本山鞍馬寺 案内図」

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