掘り起こしていると、ミミズが出てくる。セミの殻付き幼虫も出てくる。慌てて穴を掘り、それらを中に入れて土を被せておく。ごめんネ。
不思議なことに、固い粘土質のところにいる。
手足のあるセミはともかく、ミミズがなんでこんな粘っこい固い場所に住めるのん?
骨もないし、もちろんモグラのような協力な熊手も持っていないのに・・・・・
娘が言う。
「歯があんねん、きっと」
「どこに?」
「ちっちゃい口の奥の方に」
「エーッ」
「こんな風にあんねん」
とやってみせてくれたその顔を見て、私はお腹がよじれるほど笑った。
さらに娘は言う。
「あの軟体のどこを探しても普通は出てこうへんけど、土を掘り進む時だけ出てくんねん、こんな風に」
歯をむく。
私はまたしてもヒーヒー笑う。
確かに、歯でもなければ、あんな固い土の中に入ることはできない。しかも時々、地表にお尻を出して、食べた土をウンチとして放出する。イヤハヤ、不思議な生きものではある。
私達親子は、ミミズを気味悪く思うどころか、むしろ悪いネと心痛めながら、掘る。そしてふるいにかける。
来年はここに芝桜が咲く。それを想像しながら、黙々と。
ミミズから見れば、迷惑な、ヘンなヤツらと思われている。
(玉麗)