菜種梅雨って今頃の雨のことやったねェ、と友人が言う。
七十二候(しちじゅうにこう)の本を出してみたが、載っていなかった。
その年によってかなりバラつきがあるので、この日からこの日ぐらいと決めかねるからだろうか。
桜の咲く頃には、毎年雨が降る。
そして咲きかけた花を冷やす「花冷え」がやってくる。
その前にはかなり暖かい日が続いているから、それに慣れた体はひどくショックを受ける。
とにかく春は一筋縄ではいかない、波乱に満ちた季節でもある。
雨空でうすら寒い上、メジロが来ないベランダは寂しい。
キンギョソウの黄と、蕾をつけたモッコウバラの柔らかな黄緑の新芽だけが、暗くなりがちな視界を引き立てている。
ここまでは雨の降っていた日に書いた。
2日後の今日、空は薄いブルー、陽光はサンサンと降り注いでいる。
けれども気温が18度しかないため、じっとしていると冷える。
風も少しある。
そんな中、朝8時から1人花見に行ってきた。
川端のソメイヨシノは満開である。
公園の中に1本シダレザクラがある。
と思って行ったのに、なかった。
ひょっとして枯れたのかもしれない。
ソメイヨシノの寿命も長くはないらしいが、シダレザクラはもっと短いのか。
シダレザクラを植えている円形の場所があり、階段状になったところに人がいっぱい集まってくる。
大道芸人がよく来ていたが、今日はひっそりしていた。
太陽が眩しすぎて、サングラスを持ってこなかったことを後悔した。
近くで見上げると目がチカチカするので、花は少し離れたところから見た。
することがないので、コンクリートの緑の方(土の部分)の草抜きをしたら、何かの幼虫が出てきた。
小さなミミズも。
ビニール袋に入れてカエル達のお土産にしよう。
以前は虫を見たら、ギャーとは言わないまでもギョッとしたものだが。
今年予定としては2回花見がある。
残念ながら、いずれも花が散った頃、その日がやってくる。
(玉麗)