風吹く

モーレツな突風が雨雲を吹き飛ばしている。
おかげで予報では雨だったのに、晴天となった。陽の光が眩しく、まるで春のような陽気である。北国では雪かもしれないので、風は時として冷たいが、太陽の光には太刀打ちできません、と言っているようだ。

今日は特別教室。
この教室が始まって、もう何年経つだろう。

最初は数は少ないものの、こんな絵を描いてみたいのでお願いできますか、という会員がポツポツ出てきた。
嬉しいことだ。

私はたいていの注文には応え、会員の意に沿って手本を描く。
難儀なものもあり、時折はブツクサと言っているが、それを描くことで私の経験値は上がって行く。
喜ばしいことだ。

娘は助手として活躍するが、今ではすっかり手順を整え、彼女の進行方法は手際が良い。
私はうっかり介入してシステムを乱さないよう注意している。

練習前の描き方指導と、最後の添削は私の重要な出番であるが、その他は、娘が会員のみなさん1人1人に合う指導法で進めているので、任せておいても遺漏はない。

玉麗会で自慢できることの1ツとして、指導法が講師によって違うといった苦情のないことだ。
これはスゴイことだと思う。

ワンポイントアドバイスに至るまで、娘は私とほとんど変わらないことを的確に伝えている。
私の所作、方法をしっかり見て、身につけていることの証だと言って良い。

ここまでになるには、やはり時間がかかった。
娘の方もいろいろと葛藤があったことだろうと推測する。

風はあらゆるものを掻き乱すが、去った後はスッキリしている。
今何かと心乱れる嵐が吹いていても、収束した暁には、きっと晴れ晴れとなるに違いない。

(玉麗)

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