この辺りは高い樹木が多いので、カラスがけっこう多い。
彼らは早朝から鳴き始める。
親ガラスと子ガラスでは鳴き声が違うが、鳴き方は親のを真似るようで、よく似ている。
最近、彼らの鳴き方に変化があることに気づいた。
ちょっと前、娘が鳴き真似をしてくれた。
いわく、カラスは只、「カアカア」と鳴くのではない。
「カア→ カア→↓ カア→↓」 と調子をつける、というのである。
その鳴き真似があまりにも似ていたので、大笑いした。
ところが、きのうふと気づいたら、「カ、カ、カ、カ」と言うではないか。
この辺にカエルがいるとは思えない。
しかしアレはカエルの鳴き声を真似ている??
それを娘に伝えると、
「アマガエルのいる森に住んでいたカラスが引っ越して来てん」
と言う。
「カ、カ、カ、カ」と鳴く同朋の声を聞いたカラスのユースケは、親ガラスに伝えた。
「母ちゃん、ウチの鳴き方古いんやで、ケンタロー君はカ、カ、カ、カって鳴いとった」
親ガラスは案外素直に、
「そうか、ひょっとしたら、“令和流”っていうんかも知れんナア」と頷いた。
カラスは賢い。ひたすらカアカア鳴くのではない。
流行も取り入れ、発声方法の研究も怠らない。
今に、人間と言葉を交わすカラスが出現することも考えられる。
(玉麗)