カエルの絵

ジャンがモデルになったかのような玉雲先生の絵がある。
その絵には「寂然不動」と賛(さん)が入っている。

賛とは水墨画などの絵の横に書き入れる言葉のことで、漢文でその絵の説明意味などを表記する。
「寂然不動」(じゃくねんふどう)とは、静かで動かないこと。
まさしくジャンのことだ。

カエルを飼っているというと、ゲコゲコ鳴きますか、とよく聞かれる。
うちの子達はヒキガエルなので、滅多に声を出さない。

鳴いたとしてもケロケロでもゲコゲコでもなく、ク・ク・クと小さな可愛い音を出す程度だ。
鳴き袋がないので、音が増幅されない。

田んぼで賑やかな合唱をしているのは、トノサマガエル、水の中に住んでいるから何となく生臭いらしい。

比べて、わが家の3匹はうるさくもなく、臭くもない。

エサも5日に1度くらい与えるだけの、至って手のかからない、いい子達である。
水浴び用の水は毎日替えるが、ウンチやオシッコは毎日排出しないので、汚れたら敷物を取り替える。
娘はその都度、体を洗ってやっている。

ジャンをじっと見ていると、彼の方も私を見つめている。

「人間はせわしないねェ、特に母さんは『寂然不動』とはおよそ縁のないヒトだよ」
そう言われている気がする。

いや単に、
「こうやって母さんの方見てると、そのうち何かくれる」
と考えてのことかもしれぬ。

(玉麗)

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