チラッと見ると横向きだった体を正面にもどし、ツンのめるほどの勢いでさしみに食いついた。
ジャン!元気やねェ!
ジャンはこのところ何となくトロンとして、あまり元気がなかった。
手足がすれて出血したのが原因だったようだが、はっきりはわからない。
風太の時のことが頭に浮かぶ。
あわてて動物病院へ連れて行っても、本人のためにはならないことの方が多い。
ネット上でも、診療させたことを悔やむ記事がけっこう多い。
私達が出来ることをせいいっぱいしてやって、様子を見るのが一番いい。
風太は動物医にすすめられた食事に変えても一向に良くならず、私が手作りの食事を与えるようにしたら元気になった。
しっぽの毛が生えてきたのに 驚いたことを思い出す。
ひょっとしてさしみを与えたら元気になるかもと思いついた。
けれども新鮮そうなのが無くて、やっと先日買ってきた。
小さく切ってスプーンに乗せて、ジャンの目の前に差し出す。
かぶりつくとはこのこと。
カエルはふつう舌をのばしてペチッと食物をとる。
ところがまぐろ大好きのジャンは、頭から突っ込んで来て、ガブリ。
食いっぷりが豪快である。
一度にたくさん食べさせてはいけないだろう。
あした又、どこかでまぐろの良いのを仕入れてくるよ。
スリムとマルコにも食べさせてあげるからネ。
(玉麗)