検査と手術は全然違うが、麻酔を使うことにおいては近いものがある。
それ故か、胃カメラの検査にも同意書を記入する。
アレルギーショック、
出血、
消化管穿孔(せんこう)、
酸素投与
などなど・・・
あまり嬉しくない文字が並び、頭痛を覚える。
胃カメラでこれなのだから、重篤な病の手術となると、受ける側は家を出る時、帰って来られるかなと思ったりするだろうナア。
私は幸いなことに大怪我をしたこともなく、虫垂炎を患ったぐらいで、大手術も今まで受けたことがない。
それでも、またここに帰ってこられるかと思ったことは何度かある。
飛行機に乗って遠くへ旅行する前夜、そんなことをふと思ったりしたことがあった。
空港でケロッと忘れて、旅への期待で心の中は満たされる。
どうってことなかったのだ、今まで。
ここまで書いて、病院へ行った。
午前10時30分、検査室でこれから行うことの説明を受け、口にゼリーを含むよう指示された。
3分間で口内が痺れ、感覚がなくなる。
その後横になり、右腕に血圧計、左に点滴がセットされた。
それから5分も経たない間に、私の意識はどこかへ飛んでいった。
目を覚ましたら、ナースコールと書かれた札が下がっている。
押すと看護師さんがやって来て
「ゆっくり起き上がって下さいね」
と言いながら、身支度を手伝ってくれた。
待合室でスマホを見ると12時29分。
全工程2時間。
その間の1時間半ぐらいを私は眠って過ごしたことになる。
その後、医師から診断を受けた。
結果は、慢性胃炎・逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニアにチェックがついた。
画像を見ながらいろいろ聞いたが、頭がぼーっとしていて全部忘れてしまった。
忘れても、今すぐ問題がない程度だったのかもしれない。
終わったナア、とりあえず、ひとつ。
(玉麗)