うぐいすが、鳴き方の研究を続けている。
「ケキョ」だったのが「ホ、ケキョ」になった。
そうこうしているうちに、「ホーケキョ」となり、「ホーホケキョ」になる日も近いだろう。
この都会の住宅地で、いくら樹木が多いとはいえ、うぐいすの声を聞くことが出来るなんて・・・。
娘は、どこかの酔狂なジイサンが音を流しているに違いない、と言っていた。
私もてっきりそうだと思っていたので、椿の木に隠れて鳴いている小鳥を発見した時は、感動したものだ。
(娘が見つけて教えてくれたが、私には見えなかった)
今年は朝ベランダに洗濯物を干している時、かの鳥の発声練習を耳にすることが出来る。
どうやら下の椿の木辺りから聞こえる。
そこは通路になっている。
多くはないが、人が通る。
人が通るとピタッと鳴くのを止め、誰もいないと「ホケキョ」と言う。
ベランダから耳をすましてじっと見ている人間がいることには、気が付かないようだ。
といっても、かなり離れているし、うぐいすの姿を私の目で捉えることなど不可能ではあるが。
あの声が耳に届くだけでいい。
その日1日が幸せな気分で明けるなんて、素晴らしいことだ。
(玉麗)
僕らは年中そこらへんにおりまっせ。