展覧会が近づいて、あまりの忙しさにピリピリと空気が震えているような、何とも言えない緊迫感が漂っているわが家。
先日、出入り業者の人と電話で話していて、最後に『・・・わかりました、ハイ、ハイ』まではよかったのだが、その後で、ホォイ?かウォイ?とかとにかく表記が難しい音を発したと言って、娘に笑われた。
つい先ほども台所で焼きそばを作りながら、その件を思い出し、おなかをよじって笑っている娘。最近この手のバアサン発言が多くなったナァと私もおかしくて・・・。
大笑いするとピリピリ空気がいっぺんに和らいでくる。
そうこうしているうちに、リビングの隅に置いてあるカエルハウスから、ク・ク・クーーとスリムの声。あー、またしてもマルコに踏んづけられて、重たいよーと叫んでいる。
会社の無機質な空間でピリピリ感が広がると、とんでもなく厄介なことになるだろうけれど。(と書いているが、私は会社勤めをしたことがないので、実体験はない)
わが家は時として玉麗会事務局になり、教室になり、アトリエにもなる。
けれども本体は、カエルや虫などと共存するのどかな処なのだ。
風太はとてもわがままで付き合いの悪い犬であった。それでも私達にしか見せないショータイムには、愉快な仕草で楽しませてくれた。
帰りが遅くなるとその辺をメチャクチャにして、怒ってるンだからと表現したりする。
私達が展覧会で忙しくしている時は、ちっともお利口さんになってくれないのに、当日は急にいい子になった。
デパートでの展覧会は1週間である。
それでもその期間ちゃんと留守番してくれて、チラかしたりイタズラしたりがなかったのだ。
私達の大事な時を、ちゃんと理解していた。
風太が亡くなって初めての展覧会がもうすぐ始まる。
きっと、心配して、龍に乗って様子を見に来るんだろうなと思いたくなる。
(玉麗)