イベリスは真っ白な花で、この花が群れて咲くとその辺り一面が夕闇の中でも輝いて見える。
花が終わり種をつける前に切りもどすと、もう1回咲いてくれる。
下の花壇のイベリスがずっと気になっていた。時間を見つけた日、ハサミをペーパーバッグに忍ばせ階下へ行った。
花壇は広いので、小さなハサミではとても間に合わない。裁縫用のハサミを3年前から花切り用に使っている。大きいので他の住人に会った時、ギョッとされても困る。先をタオルで包み、バッグに入れて持ち歩く。
管理人さんにことわって作業をするので、たいてい30分ぐらい経つと様子を見に来てくれる。暑い日だったら、ブッ倒れていないかどうかとか・・・・・。
「まだかかりそうですね、この花何という名前でした?」管理人さんが登場した時、約半分くらい切っていた。
それから30数分、アーシンド、ハサミを持つ手が痛くなってきた。モミモミしながら手をほぐし、さらに10分ほど。
途中クリーンスタッフも声をかけてくれた。「疲れない程度にして下さいネ」
住人が1人。「ご苦労さまです」
切りもどすのが少し遅れたようにも思う。
でもこれでもし又花が咲いたら、住人は1人だけ、あと管理人さんとクリーンスタッフ1人、その3人だけは、私が切りもどしをしたからだと思ってくれるかな。
誰も見ていなくても、そんなことにはお構いなしに花の世話をするヒトだが、咲いた時一緒に喜んでくれる人がいればやはりうれしい。
(玉麗)