人生初めての、といえば大袈裟かもしれないが、消音の世界を体験した。
いや、本来ならこのような使い方はしない物だ。
それは、音楽を楽しむために開発されたもの、イヤホンである。
このところ騒音に悩まされている私に、娘が薦めてくれたのは彼女の愛用しているイヤホンであった。
装着した時、ブォンと耳に響くので、目と同じく耳も弱い私はちょっと尻込みした。
しかしうるさい音との戦いの日々で疲弊した私は、仕方ないナと思うようになってきた。
ちょうどその頃、電子レンジがダメになりかかり、もうアカンとなったので、大型電気店へ。
電子レンジは早々に決め、次はイヤホンのコーナーへ。
まずは娘が使っているのを試してみた。
スタッフは、もっとスゴイのがありますと言う。
「ホ、何も聞こえません」
耳に入れるなりつぶやいた私の声も全く聞こえない。
「コレ、決めます」
「カッコイイ」
と娘。
あまりにも即決なので、エエッという顔のスタッフに
「で、お値段は?」
スゴーく高かったから、やっぱりやめとこかと一瞬思ったものの、いや、あのストレスにはコレでないと太刀打ちできないワ、とも考えた。
娘のイヤホンと同じ値段と言う。
決して安くはないが「買います」。
イヤホンをつけて、マッサージ機に座っている。
まるで深海に潜ったような・・・と表現すれば良いだろうか。
といって、私は深海へ行ったことなどございません。
その名はBOSE。
ノイズレスとは言わない。
ノイズキャンセリングと呼ぶ機能を与えられている。
ところでコレは音楽を聴くもの。
そちらも試してみないと、この崇高な機器に失礼だろう。
(玉麗)