異邦人という言葉がある。
外国人と同義語であるが、こちらの方が何となくミステリアスで、アラビアンナイト的でもある。
イスタンブール(トルコ)、カサブランカ(モロッコ)等、私の人生からは 遠く離れた地名がそうであったように、チュニジアもまた どこにある国なんだろうと想いを馳せる。
先日、デーツの干物(とは言わンナア)干しデーツとでも言えばよいのか、を買って食べながら袋を見るとラクダに乗った 人物の絵があった。
ン?
チュニジアってアフリカじゃないの?!
わが家の地球儀はけっこう大きいが、とみに目が悪くなって きている私はなかなか捜し出せない。
あった!
北アフリカ黒海に面した小さな国である。
私が食べているデーツは ここで作られた。
言語はアラビア語らしい。
そうか、やはりアラビアンナイトであったか。
私が思い浮かべる 異邦人とは、ヨーロッパ、アメリカ等々の諸外国ではなく、少しばかり褐色の肌を持つ、大きな瞳の人々。
そのクッキリと美しい瞳だけを見せて、全身を白か黒の衣服でおおった、まさにアラビアンナイト、子供の頃から今までずうっと想像してきた姿である。
私が描いた「バローダの月」の女性もそれに近い。
グローバルと言われて久しいが、それを実感している人は全人類 の何パーセントだろう。
そんなことを思いながら、世界を知らないヒトが、ここにいて チュニジアのなつめやし(デーツ)を食べている。
コレもまたグローバルなのだろうか。
その後、ソースの表書に、デーツの甘みが・・・」と 書かれているのを知り、にわかにこの食品に親しみを覚えた。
(玉麗)