椅子が出来上がり、息子夫婦が大事そうに抱えてやってきた。
玉麗がブーツを履くための椅子は、「ブーチェ」と名前をつけた。
「ブーチェ」は四角いけれど、何となくまあるい雰囲気が漂ってくる。
施された色の優しさだけではなく、両サイドに彫られた文様が愛嬌たっぷりなのだ。
ラテン語でカエルのことを「ラナ」という。
ラナンキュラスは、葉がカエルの手のひらのようだから名付けられたと聞いた。
その「ラナ」が「ブーチェ」の脚部に2ツついている。
こんな発想、いつ思いついたのだろう。
わが家のペットが3匹、息子の膝に上ったり下りたりしたことがあった。
彼は大仏様のようにじっと座して動かず、嬉しそうな顔をして3匹の様子を見ていたことがあった。
あの時思い付いたのだろうか。
タコ焼パーティを開くための準備は、時間にすればそう長くないが、日数はけっこうかかっている。
その、アレやコレやは全て1日のために費やされたことだ。
そして、私達は充分に楽しく、和やかな時間を過ごすことが出来た。
さてタコ焼きである。
私は根っからの大阪人ではないので、今までタコ焼きを焼いたことがなくても支障(?)はなかった。
息子が、半分焼けたのをクルッとピンで回すのを見ていて、これぐらい出来ますヨとばかり手を出したが、アレッ?どうもうまく行かない。
「こうやるねん」と教えてくれるが、またしても、アレッ?
私ってけっこう不器用なヒトだったのかしらん。
仕方ないから味見役に回ったが、「これ、どうも違うね。タコ焼き屋さんのはもっと柔らかいよ」と文句を言う始末。
娘とAちゃんは、あつっ あつっと言いながら、2人仲良く「美味しいネ」と食べていると言うのに・・・。
後半へ続くー
(玉麗)