アゲハの子が1匹

食べたミカンの種を植えておいたら
7本芽が出たが、
冬を越したのは2本だけで、
その小さな若木に何年か前のように
アゲハが卵を産みつけた。

5匹生まれ、育ったのは2匹だけ。
このうちの1匹も風の強い日、いなくなった。

残った1匹が大きくなり、
そろそろ青虫に変身する頃になった。

娘が早朝、車の往来の激しい道路の
グリーンベルトの中にある柑橘の若芽を
採取してきた。

そこへ移してやると、
ものすごい勢いで葉を食べ、
ほどなく※グリンになった。

すべすべと美しい緑色の体に
細い白線の模様、
懐かしい形態である。

「グリンになったネ」
と近付いて声をかけると、
ニュッと黄色いツノが出た。
彼(彼女)流の挨拶である。

しかしこれはあまりうれしいものではない。
強烈なニオイを発するからだ。

新しい葉をモリモリサクサク食べている。
あと1〜2日でサナギに変身する。
サナギになる前に、サナギ箱を用意して
やらねば、どこへ移動するかわからない。
どこか隅っこでサナギ化すると
対応に苦慮する。

この子がメスなら、きっとまた卵を産みに
帰ってくる。

こうやって増えて700頭以上のチョウが
わが家から飛び立った。

男の子でも彼女を連れて戻ってくるかもしれない。
うーん、どうしたものかと思いつつ
チョウになって飛び立つ日が待ち遠しい。

(玉麗)

※アゲハの幼虫は卵からかえってすぐは
黒い色で、脱皮を繰り返して青虫になります。
青虫はグリーン色=グリンとわが家では
呼んでいます。

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