色付く秋

Sさんから写メールが届き、その後電話がかかってきた。
彼女はあまり健康体ではなく、しょっ中体を壊している。
その日はよほど気分がよかったのだろう、画像はどれも笑っていた。
姉弟と思しき男女が写っていて、姪と甥だと言っていた。
彼らは1人暮らしのSさんを励ますため、郊外へ車で連れ出してくれたのだ。

 

秋真っ盛りの、豊穣に染まった樹々アメリカフウの並木、真っ赤なモミジと黄色く色付いたイチョウ、大木の柿の木には誰も採ろうとしない柿の実がポツポツと見える。

写真にはなかったが、ブドウ畑が在って2房ほど葡萄酒色の房がブラ下がっていたとか。
刈り取られた稲の株から新芽がボウボウと出て、一見稲刈りはまだなのかと思ったという。

その横の畑では小型のトラクターが土を掘り起こしている。
夕陽が山の端に差し掛かると、途端にトラクターは鳴りをひそめた。
まだ3時なのに仕事終わりみたいと笑っていた。

Sさんの嬉しそうな声を聞くのは久しぶりだ。
私も空気の清涼な「ちょっと田舎」的なところへ行ってみたい。
大阪の秋は相変わらず20度近く、これで冬がやって来るのかと思ってしまう気候だ。

Uさんにもらった温州みかんが、はちきれそうに丸くなって、かなり色付いている。
さて、収穫はいつ頃か。

(玉麗)

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