知人が「ちょっとだけやけど、おすそわけ」と言って『てっさ』を持ってきてくれた。
こういうものは少しだけ頂くのがいいんです、と言いながら有り難く夕食の一品に。
ふと思いついて、ジャン達にもと小さく切って与えようとしたが、ア、そうだとベランダへ。
夏からずっと咲いているペチュニアの花を1輪取ってきた。
『てっさ』は、透き通るほどの白身、カエル達は目があまり良くないので、このままでは見えないのだ。
濃いピンクは彼らの目にもよく見える。
スプーンに『てっさ』をのせ、その上に小さくちぎった花びらを置くと、ジャンはさっそく目で追って、パクッとひと口で食べた。
「ジャン、これ『てっさ』って言うねん。フグの切り身、美味しい?」
「フーッ」
満足したのだろう、ジャンは大きな鼻息で答えた。
2切れをカエルに分けてやりました、とは言わないでおこうか。
(玉麗)