現代人は、老いも若きも自分のことを話したくて仕方ない。
だから会話といっても、話のキャッチボールをして楽しむことができない人が増えた。
自分のことばかり喋る。
相手が話している途中でも遮ってまで、自分のことに話を向けてしまう。
インタビュアーになる人は、一体どんな訓練を受けるのだろうと、ふと思う。
テーマを決めて相手から話を引き出さなければ、インタビューしたことにならない。
自分が喋っていては仕事にならないのだから、おしゃべり好きな人には絶対に向かない仕事だ。
個展の折、新聞社の記者が訪れ、インタビューを受ける。
何度かあったが、思い出せばやはり、けっこう寡黙な男性ばかりであった。
私もおしゃべりが好きではある。
しかし会話中、相手も楽しく喋ってくれていると確認できればうれしいが、自分では面白いテーマだと思っていても相手が興醒めした感じであったりすると、シュンとなる。
その反対でもやはり楽しくはない。
そうなると、おしゃべりというものは、まずは親しく、会ってうれしい人とでないと盛り上がらないと言える。
自分のことばかり話す人は往々にして、自慢家である。
自分が経験したこと、手に入れたものなどを滔々(とうとう)と喋る。
それが自慢の部類に入ることである、との自覚もない。
困ったことに・・・・・。
(玉麗)