サナゴウチ 2/2

佐那河内村での実体験がないと書いた後で、思い出したことがあった。
1度ブログにも書いた気がする。

子供達を連れて実家へ行った時のこと。
姉弟2人はまだ中学生であった。

父と父の友人、兄の子供達3人、私達3人の総勢8人を乗せて、マイクロバスで遊びに連れて行ってくれた。

まだ若くて逞しいオジサンだった兄は、子供達に川魚釣りを教えてくれた。

父と友人も仲間に入ってあちこちで釣り糸を投げたが、魚はなかなか釣れなかった。

そのうち息子が川へ飛び込み、子供達は各々に水の中ではしゃぎ出した。
息子は河童のように川底を泳いで、なんと魚を捕まえて、おじいちゃんと友人を驚かせた。

川で魚を焼いて食べたかどうかはまるで記憶にないが、自分達がちっとも釣れないのに、孫が素手で魚捕りをした事実に目を丸くした2人の顔だけは、なぜかしっかり覚えている。

息子は長じてダイバー講師の資格を取ったらしいから、水の中が得意なのだろう。

通り雨が昼御飯を食べている私達を襲い、子供達は大騒ぎしながらおにぎりを頬張っていたことも思い出す。
あの川が佐那河内村を流れている川だったのでは・・・と思ってみるが・・・・。

父と友人、兄ももうすでに故人となり、兄の子供達は小学生だったから、覚えているかどうかも疑わしい。

魚が釣れなかったから、兄は鳴門方面の海へ向かった。
ここでも、ひょうきん息子は海に入り逆立ちをして皆を喜ばせた。
映画「犬神家の一族」の真似をして見せたのだ。

新聞は懐しい思い出を甦えらせてくれる。
サナゴウチはやはり、物語の中の場所だった。

(玉麗)

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