4〜5日バタバタと忙しく、教室も続いている。
そんな時はベランダで外の景色をゆっくり見る余裕がない。
今朝曇っていた。
明るくない中で、ベランダから見下ろした場所の桜が咲いていることに気がついた。
その隣にはモクレン、下方にはユキヤナギがいずれもほの白く、その辺りだけくっきりと浮いたように見えた。
美しい眺めも、見ようと意識しなければ、目の中に、さらに脳内に届かない。
桜の季節は、毎年慌ただしく去ってゆく。
立ち止まって、心を、うすくれないの花の中に埋めよう。
この花が咲き誇る期間は、瞬く間にすぎてしまう。
儚い花の命を、来年もまた見られる保証などどこにもないのだ。
昨年のこと。
私は1人で川畔を歩いたことを思い出した。
その日は眩い陽光が降り注ぐ、少し風のある日であった。
コロナ下で花見の人達はほとんどいない中を、贅沢な1人花見と決め込んで、天を仰ぐとそこは青のシンフォニー(どこかで聞いたことがあるナア)。
天上の青を背景に、例年より濃く見える桜達が、私を見下ろしていた。
全ての条件が揃っていたように思う。
「きれい・・・」
思わず口から出た。
あの日の感動を、今年もまた味わうことができるだろうか。
ベランダから見下ろした桜をスマホに納め、友人にメールした。
「きれいねェ」
と返信が届いたのを見て、さて、今から教室へ行きます。
(玉麗)