日毎に緑が深くなってゆく。
リビングから見える隣の建物を覆い隠すようにケヤキが茂っている。
萌(もえぎ)色だったのにいつの間にかおとなの緑になって、サヤサヤと風にそよいでいる。
いかにも五月の風情であるが、もうすぐ「木の下闇(このしたやみ)」。
そして今年もまた暑くなるンだろうナと思ってしまう。
暑くなれば虫達のシーズンがやってくる。
先日の新聞に、ギョッとする記事があった。
トコジラミという害虫が増えているらしい。
インバウンドの増加でたぶん増えたのだろう、とのこであった。
ホテルや地下鉄に潜伏しているらしいその虫は、服につけて持ち帰って刺されると、夜眠れないほどの痒みを伴う。
痒みは2週間も続くというから恐ろしい。
私は以前、アリに刺されて10日ほどひどい目にあったことがある。
「嘘寝作戦」を紹介していた。
ベッドに入って電気を消し、30分ほどしたらヤツは出てくる。
直ちに潰す。
ダニと違って、体調5〜9ミリ、褐色だというから見つけやすいかも。
衛生状態のよくなかった昔は日本にも多くいたようだが、殺虫剤でほとんどいなくなった。
ところが最近のは、スーパートコジラミに変身し、一般的な殺虫剤では駆除できないので専用の殺虫剤を用いるとのこと。
しかし、ハチやアリのように、近づかないようにしたら防げるのではない。
寝具に潜って、人間が眠っている間に血を吸う虫なのだ。
家の中に持ち込まないようにしようと思っても、地下鉄にいるとなるとおぞましい。
今までは席が空いたらすぐ座っていたが、ちょっと考えるだろうな。
どこかが痛いのは我慢できないことであるが、それでなくても不快な夏に、「痒み」が加わったら・・・・
思っただけでモゾモゾしてくる。
(玉麗)