思い出すこと

数えてみると、私は10回以上転居をしている。これが多いかどうか一概には言えないが、少なくはないように思う。

各々の地でいろいろな出来事があり、思い出として時折、娘との話題に上がる。

M市に住んでいた頃のこと。

わが家で「昔住んでいた町のこと」の話になると、必ず出てくるものがある。

地図である。

どちらからともなく、ここがこうで、この辺にスーパーがあった、幼稚園はここら辺、道がこんなふうに曲がっていて、、、と、またたくまに住んでいた近辺の地図が出来上がる。

そして、ここで自転車でコケてケガをしたとか、この家にはきょうだいが3人いてよく遊んでくれた、いちばん下の男の子の指をわが家のオカメインコが噛んだけど泣かなかったナァ、なんて、けっこう覚えているものだ。

幼稚園の名前をケータイに打ち込むと、水着を着た園児の写真が出てきた。

「わっ こんな可愛い水着!私の頃なんかパンツ一丁!すごく恥ずかしかったの覚えてる」

と、娘が悔しがる。

今ならトンデモナイことであるが、大らかな時代だったんだと思うより他ないね。

その後、5回ほど居を移し、現在に至っている。

幸いなことに、今の住まいは過去のどこよりも広く快適である。

それでも各々の家の話は、娘の解説によって「ヘェーッ、そんなことあったン?」的な部分が、愉快な思い出話に醸成されて、何度聞いてもそのたびに思わず笑ってしまう。

(玉麗)

 

 

 

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