飼っていたのを、大きくなってしまったから、捨てた。
結果、お堀や川にもともと居ないはずの生き物が住むようになった。
外来種の魚がその例であったが、昨今ヌートリアがあちこちにいる。
大川にも住んでいる。
魚と違って慣れるから、エサを与える人が現れる。
夕方、橋のたもとでパンをやっている人達を散歩中の娘が目撃し、写真を撮ってきて見せてくれた。
「ヌッちゃん」などと呼ばれて、パンを両手で受け取る様子は愛嬌があるが、顔は贔屓目に見てもあまり可愛い生き物ではない。
ヒゲがボーボーである。
ヌートリアは鴨が寄ってくると、エサを取られないように威嚇するが、亀がワンサカいる。
鴨は、仕方ないから遠巻きにし、鷺もおこぼれを狙っている。
「今日はもう1匹は来ないの」
などと聞こえるので、2匹いるのだろう。
もしオスメスなら、子供がそのうち姿を現すかもしれない。
生態系が崩れるなどと声高に言うつもりはなく、あんなにたくさん食パンばかりを与えていいんだろうかと、心配する。
ヌートリアは丸々太っている。
彼らは糖尿病なんかにならないのだろうか。
最近いろいろなペットが売られているが、飼い始めた人は最後まで面倒をみてやって欲しい。
大きくなって飼えなくなった、なんて理由にはならない。
飼い始める前にようく検討して、少しでも懸念があれば、飼うのを諦めることだ。
日本の街中を流れる川にヌートリアがいては、やはりおかしい、と思うのは間違いだろうか。
(玉麗)