ロングベストの丈を短くするのに、小一時間かかった。
そうなると目はかなり疲れている。
咳が出るので教室を休んだのに、他のことで疲れていては何のことない。
もうあと5センチ縫えば終わり、というところで糸が足りなくなった。
たぶん気があせったのだろう。
針が指に刺さり、痛ッと思った瞬間、ピーンと音がして手許にあったはずの縫い針が消えた。
わあっ エライこっちゃ!である。
その辺をキレイに片づけて、針が飛んで行ったと思われるフローリングの床に這いつくばって捜した。
目が悪いから見えないのだと思って、モップを持って来て拭いてみた。
しかし出てこない。
よく考えると、針は金属だから照明で光るはず。
灯りを強くしてみた。
やはり出てこない。
ウーン
かくなる上は磁石だ。
小さなのしかなかったが、7ツほどくっつけるとけっこう磁力が増した。
試しに別の針を近づけたら、オーッくっつくゾ。
よしっこれで出てくるはず。
なんだけど、そうはいかなかった。
娘が帰るまで待つことにしようと諦めて、ふとテレビ台を見ると、
あったァ!!
ヤレヤレ。
リビングはみんなが集まるところ。
床に座ったり、床暖が居心地いいので腹這いになったりもする。
そんな場所で針を紛失したと言ったら、大目玉である。
びっくりして咳が止まったような・・・。
(玉麗)