手本描きに倦むと、ア、そうだと思いつくことがある。
1人ファッションショー。モデル、全てのスタッフ全部1人でまかなう。
まだ2カ月ぐらい先にしか着られないセーターを手に入れた。
あれに合うボトムズ、グレーがいいか黒が合うか。
白っぽいパンツならマダム風に、黒ならカッコよく・・・と想いを巡らせる。
私はアクセサリーをつけない。
バッグなどの小物も持たない。
となると、身につける上下で「よしっ」と思えるセットアップが課題になる。
なかなか難しい。
華やかな色あいを好んだ時代もあったが、最近はシックでまとめるようになった。
しかしそうなると地味で、一歩間違えるとバアサンくさくなってしまう。
より高度なセンスを磨かなければ賞賛の声は期待出来ない。
絵を描き、教えている私に課せられたテーマは、描く絵が美しいこと、品格が高いこと、加えて教室に入る時、「ア、先生ステキやね」と思ってもらえるムードを醸し出していること。
少しぐらいシンドい時でも2時間はシャキッとする。
それ以上ヘタっている時はあっさり休む。
最近は娘がおおいに活躍してくれているので、私がアセアセ動くことはほとんどない。
私の役目は、背筋を伸ばしてにこやかに「先生、今日もお元気ですネ」と言ってもらえるように努めること。
まずは身につけるものから、気を配る。
と、ショーの意義が長々と続いたが、若い時と違って、今は心意気をピンッと正していないとすぐ楽な方に流れようとする。
妥協を許してはいけない。
しかし、本日のショーはこれまで。
慌ててセーターを脱いだ。
わーっ 暑かった!!
(玉麗)