水無月(みなづき)、なんと麗しく皮肉に満ちた言葉であろうか。
梅雨の月をこのように表現した、昔の知恵者の粋に感服する。
そして私はこの名を冠したういろをことのほか愛する者である。
隣のスーパーで見つけてホッ。
この季節か、と相好崩したのは言うまでもない。
このムチッとしてツブッとなる舌触りが何とも言えない。
白、抹茶、黒糖、どれもよろしい。
私は徳島出身なので、ういろについては結構うるさい。
こちらへ来て初めて食べたういろがベチャとしていたので、思わずウッとなったことを思い出す。
ういろは徳島のが一番と信じて譲らないヒトだ。
けれども水無月だけは許せる。
むしろこのベタベタしたところを好ましく思うのだから、勝手なことだ。
水無月に入った。
中休みだった雨がまた降る様子。
大地を母とする植物達はこの雨期に充分に水分を蓄え、乾期の夏に備える。
マンション等の植栽には自動散水装置が設置されていて、水栓を開ければポトポトと水滴が落ちるようにはなっている。
それでは充分に行き渡る訳ではないので、管理人が散水する。
花を植えたり、木を移植した年は私も加わって水遣り作業を行ってきた。
水無月から文月に変わると、ひと仕事増える。
(玉麗)