眼鏡が無くなった。
どこへ置いたかさっぱり思い出せない。
アレ?
私は眼鏡をかけていたのかな。
それとも家に置いて出かけたのか?記憶が全くない。
さて困った。
ベランダ、リビング、アトリエ、台所のカウンター、と、置きそうな所をすべて捜したが無い。
ふと気がついたのは、下の花壇の手入れをしていて家に帰ってくる途中のこと。
そう言えば、散水用の水栓もポケットに入っていない。多分、散水栓の所へつけたまま忘れてきたのだろうと思い、とりあえずこれだけでも確認しようと、再び下まで降りた。
やはり水栓は、取り付けたままであった。
そこからマンションの玄関まで100メートルぐらい、途中で、ついさっきホースの位置を変えたくちなしの植え込みがある。
ふと目をやると、あった!
眼鏡が!!
くちなしの木に引っかかっていたのだ!
私の眼鏡はとても軽い。くちなしの木の下にもぐり込んでホースを動かせていた時、小枝が顔に当たったのは覚えている。きっとその時外れたのだ。
「眼鏡が無くなったら見えないのじゃないの」
と娘は言うが、私はしょっちゅう眼鏡を外している。
というより、外出する時、テレビを見る時以外かけていないのだ。
見えないくせに?と思うかもしれないが、かけても格段に見え方が変わるのではないから、うっとうしいものは家の中でかけたくない、というのが正しい。
それにしても、あんな所に、よくマァである。
大袈裟に言えば、「奇跡的」に見つかった。
(玉麗)