アゲハの幼虫、黒虫やグリンは怒るとツノを出す。
濃い黄色のそれは全ての悪臭の要素を含んでいる。
うっかり手についたら石鹸で洗ってもしばらくは消えない。
あまりにも臭いため、私はツノが出たらギャッと言いながら、その部屋から退散する。
娘の話では、小さい頃の方がより怒りっぽいとか。
その禁断の飼育ケースの中に、よりによってアゲハが落ちた。
そこには10匹ほどの黒虫・グリンがいた。
幼虫達にしてみれば、鳥がやってきたと思っただろう。
確かにそのアゲハは大きい子である。
敵襲来!
ブリンブリン!とすべての幼虫の頭からツノが出た。
落ちたアゲハは、羽根の一部が伸びきらず、しっかり飛べないので、娘がハチミツを与えている子である。
あまりの臭さにきっと失神したのではないだろうか。
ケースの中でジタバタしているアゲハを救ってやり、ついでにちょっとニオイを嗅ぐと、クサイ!
グリン臭であったという。
以上は、わが家の本日のハプニングであった。
私はベランダで花の世話をしていたので、見てはいない。
その時私ならアゲハを取り出してやるなんて、とてもできなかっただろう。
詳細は聞いていないが、さすがアゲハのベテラン世話係、めげることなく処理したことに拍手である。
(玉麗)