ペンダントトップは、プラチナにびっしり
極小ダイヤがちりばめられて、
光を受けるとキラキラ輝く。
友人達に、きれいねと言ってもらって
喜んでいたのに・・・・・。
片方の耳が軽くなっているのに気付いた時、
私はきっと顔色が変わったに違いない。
でも個展会場で大騒ぎする訳にはいかず、
娘に耳打ちして捜しに出た。
軽いものではないので、床に落ちたら
きっと音がする。
しなかったのは絨毯の上に落ちたからだと
考えて、自分がその日歩いた場所を思い出し、
目を凝らして捜し歩いた。
どこに落ちていたのかはもう思い出せない。
ずいぶん前のことだから。
しかし、見つかったのだ。
奇跡的に!
このイヤリングはその後もう1度紛失した。
が、なぜか私のもとに戻って来た。
たくさんあったイヤリングはすべて
娘に譲った。
彼女の耳元で揺れるイヤリングを見るたび、
女性は耳飾りをつけるときれいに見える
との言葉を心から納得する。
今はもうイヤリングをつけることはないが、
私の小箱にはひとつだけ、
落としても帰ってきた幸運のティアドロップが
入っている。
(玉麗)