ふうん、八ツ橋って砂糖・米粉・きな粉・大豆・ニッキ・ごまで作られているのか。
きな粉が意外であった。
生八ツ橋が好きで時々買う。
餡の入っているのも美味しい。
最近乾燥させたものをよく買う。
「八ツ橋」の名はもともとこっちの方に付けたのだろうな、と思いながら、湾曲した面を2ツに折り、1ツを口の中へ。
バリバリと賑やかな音を出して「橋」は口中で砕け、ほんのり甘さが広がってくる。
このいずれもが好ましい。
しかしこれは年寄りのおやつには少々不向きである。
幸い私は父譲りの丈夫な歯の持ち主で、「橋」を破壊するのに不都合な点はない、今のところ。
「いい音出すねェ」
と娘が半ばアキレ顔で言う。
食べ物を咀嚼する時、音を出すのは品がないと言われる。
しかしそれは食べ物にもよるだろう。
八ツ橋を音を出さずに食べろと言われたら、爆笑ものではないか。
莫山先生は音のする食べ物を下品だと言ったそうだ。
きっと歯が悪かったンだろうナ、と推測しながら同情する。
いやいや、バリバリ食べられることは爽快ですョ。
と言って、一度にたくさん食べることが可能なヒトではない。
メジロがやってきて蜜を吸い、ミカンをついばんですぐ飛んで行く。
しばらくするとまたやって来て、同じことをしている。
似ているナアと口許を緩めながら、お茶を飲んでいる。
(玉麗)