蚊の雌は、生きものの血を吸ってタンパク源とし、卵を生成する。
針を刺す時、微量の毒素を出すらしい。
それが痒みの元となる。
アメリカフウの木に害虫が発生し、業者に殺虫剤を散布してもらったとの事後報告があり、管理人と一緒に見に行った。
鮮やかな黄緑の虫がそこかしこに落ちていた。
ひょっとしてこれはドンデモナイ毛虫の一種ではないかと思ったので、近寄らず説明を聞いた。
その間、2〜3分であったと思うが、蚊がまとわりついているのを見て慌てて帰ってきた。
玄関を入ったところでモーレツに痒み発症、慌てて石鹸で手を洗い、刺されたと思う所も丁寧に洗った。
そしてキンカンを塗布。
そうこうしているうちに痒みはあちこちに伝播し、皮膚がぷっくり膨れてきた。
ここも、ア、こっちも、こんな所まで、ともう躍起になって、キンカンを塗る。
掻くと腫れ上がるから、とにかく何度も何度も塗布するのみ。
とはいうものの、カユーイ、カユーイ、10カ所くらい刺されていた。
皮膚が出ている場所は、所かまわず、服の上からも平気で刺す強靭な口針。
みるみるうちに、掻きむしっていないのに膨れ上がり、隣の箇所とくっついて地図のようになってゆく。
恐るべし、晩夏の吸血鬼。
とにかく立ち止まってはダメなのだ。
歩いてもゆっくりだと追いつかれる。
目にも止まらぬ必殺の早業なのだ。
30余分経過、やっと痒みが治ってきた。
雨が降っても蚊は雨宿りしない。
気を許してはいけない。
ちょっとの外出でも上着を羽織って出かけることにしよう。
(玉麗)