Tさんは、私が知る限りレッスンを休んだことがありません。
私がこの仕事につき、教室に通うようになってからまる14年になりますが、この14年間1度も欠席したことがありません。
玉麗先生に尋ねてみると、「そういえば休んだことがない」といいます。と、いうことは玉麗会の一員になられてから、1度もお休みしたことがないということになります。
私でも、体調を崩して休んだことが数回あるのに。
1度も欠席がない、とは・・・・言葉にするとシンプルですが、なんという偉業でしょうか。
Tさんのお家は孫や子供に囲まれた大家族で、毎日大量の食事と洗濯に追われていると聞きます。「今日は休もう」と言えない家事と同じように、月2回のレッスンにもちゃんと通って来られることはとても嬉しく、真面目なTさんの生き方を象徴しているような気がして、私はいつも密かに尊敬しているのです。
先日、Tさんの所属する教室の時間帯が変わりました。いつも一番に来て部屋の鍵を開けてくれるTさんですが、時間になっても現れません。
一体どうしたのだろう?!クラスメイトが電話をしますがつながりません。忘れているならいいけれど、具合が悪くて病院に行ってるとかかな・・滅多にないことなので心配になります。
それもなんですが、私には「まさか皆勤賞にここでストップがかかるのか・・・・!」とそちらの方も気になって仕方ありません。病気でないなら何とか連絡を取らねば!
何度かの電話でつながりました。「Tさん、今日から時間が変わったんです」「あ!うっかりしていました」時間はもう半分すぎています。歩いて15分はかかる距離でしょう。「今すぐ出ますので!」
よかった・・・・。「忘れていたそうです、すぐ来られます。」教室で報告しました。「私なら絶対もういいや、ってサボってる。」「私もです。」「私も。」
しかし「すぐに行きます」と言うTさん、誰でも真似できる生き方ではありません。
残り時間30分ギリギリ、Tさんは大汗をかきつつ登場しました。「雪先生、連絡ありがとう、ありがとう」
Tさんの皆勤記録は無事更新され、私は心から安堵しました。
(雪)