外出した娘と待ち合わせて、駅前のパスタ屋さんでお昼ごはんをしようとなった。駅前と言ってもこちら側ではなく、向こう側。ちょっと歩くことになる。
汗をかかないようになるべくゆっくりと思うが、傘を指していてもけっこう暑い。途中でお店に入って体を冷やして・・・と予定していたのに、入ろうと思っていた店はもうなかった。コンビニもない。
結局スーパーへ寄って果物とパンを買い、パスタ屋へ。おつまみにフライドポテトを注文し、雑誌を見ながら白ワインをチビチビ飲んでいると、娘がやってきた。
注文した品を食べながら、ちょっと塩からいネ、前に食べたレモン味のはもうないみたい。誰かが言っていたのを思い出す。「店主のいない店はアカン、味がコロコロ変わる」と。ついさっき寄ろうと思っていた店も、別の店になっていた。多分もうここには来ないと心でつぶやく。
店主へのインタビュー記事で、「文句を言ってくれるとうれしい。何も言わず来なくなる客が一番怖い」と書いてあった。でも店のスタッフに言ってみても変わることはない。店主がいてちゃんと受け止め、改良してくれてこその「文句」だ。
私はあまり外食をしないので、行きつけの店はない。けれども美味しかった店へはまた行こうと思う。その数少ない店がひとつなくなってしまった。
(玉麗)