友人のマンションの話。
彼女が住んでいる所は15階〜20階建ぐらいの建物が何棟か並んでいるが、それぞれに独立しており、マンション名がついている。
そこでいろんな事が起き、友人はそれらの事柄をおもしろ可笑しく話してくれるので、私はブログのネタによく使っている。
今回はちょっとした推理ものであった。
花泥棒が頻発したらしい。
それだけなら、ここのマンションでもよく起きることだ。
ところが管理人が替わって新しく任に着いた人は、理事長にはっきりモノを言う人で、防犯カメラが必要です、と進言したらしい。
理事会が検討し、承認され、カメラが設置された。
そしてある日、外に並べられたプランターから花を抜き取っていく老女の姿が映し出された。
ところが、帽子・マスク・メガネをつけている。
衣服は黒っぽい。
時刻は夜10時、辺りが暗いので若くはない女とだけしかわからなかった。
特定のしようがないので、注意書きに終わってしまったが、その後もうひとつ事件が起きた。
9階から陶製の壺が落ちてきて、1階コンクリート床に砕け散っているのを、掃除のスタッフが見つけた。
なぜ9階とわかったかと聞くと、これもカメラが捉えたらしい。
帽子・マスク・薄いサングラスをかけた若い女が、壺を抱えて歩く姿を。
誰かに当たっていればどうなっていたか。
想像に難くない。
夜、12時前の出来事だったという。
その後の話を聞いていないので、事件性があったのかどうかもわかっていないが、集合住宅の不気味さを思うと背筋に冷たいものが走る。
と言っても、今さら引っ越す訳にもいかないしね、と友人に言った。
せいぜい目鼻を効かせて情報を集め、どんな人が住んでいるのか知っておくことも大事だろう。
空から降ってくるのは、花か雪がいい。
(玉麗)