私が不調な間、大気までもが冷え冷えとして春は兆しすら見えなかったが、今日は紛れもなく「やって来た」ことを感じることが出来る。
2年前、下に移植した梅が1輪咲いていた。
「1輪ほどの暖かさ」が、芽吹きの雨を連れてそこまでやって来ているのだ。
風は、もう刺すような冷たさを消している。
アカシアスノーリバーを揺らし、ラベンダーやパンジーの顔を優しく撫でるように渡ってゆく。
若い人達でなくても春は、浮き立つような華やぎを感じる季節だ。
あと1カ月も待つことなく、川縁にソメイヨシノが咲くだろう。
人々がドッとあふれる前に梅を見に行きたいと思っている。
メジロがワンサカ集まっていたというから、その様子も見てみたい。
桜は1人で見るよりも、友人を誘った方がいいに決まっている。
もし暖かい日だったら、お弁当を持っていくのもいいかもしれない。
冬には寒くてできなかったことがいっぱいある。
ここ2カ月ほどウツウツと過ごしてきた心の憂さを一挙に吐き出してしまったら、どんなにかスッキリすることだろう。
それはきっと桜の下で大きく深呼吸するだけで、成就するはずだ。
今日、明日と雨が降るとの予報。
「濡れて参ろう」ほどの細やかな雨であってほしい。
それだけでも大地は潤って、樹々は芽を出す準備をするに違いないから。
何鳥か、最近可愛い声でさかんにさえずる鳥がいる。
鳥達も巣作りに励み、相方を呼ぶ季節。
さて私は、掃除機をかけて冬の埃ほこりを片付けることにしよう。
(玉麗)